あの日から10ヶ月。遮二無二走ってきました。
やっと、どんなことをするのか、つたない文章ですがまとめました。
よろしければ、読んでいただき、反応いただければ幸いです。
「世界を変える若者を創る」
〜若者の挑戦を支援し、復興の担い手を創る〜
「自分みたいな素人でも役に立てるんですか?」
2011年5月、被災地への学生ボランティアを募るために、仙台市内の大学を行脚していた時、何度も学生から聞かれました。
現地に行って、寄り添って、にこにこして、話をする。それだけでも避難所の雰囲気が変わった。熱気。学生が思いつきでやったプロジェクトが喜ばれる。学生がやるなら手伝おうかというムードがある。そして、貢献が求められている場が山とある。「いま、ここでは、できる」。
南北500kmのエリアから何もなくなってしまった。町は流され、産業をもう一度つくらないといけない。あちこちで、みんなであつまり、この町をどうするか考え、動き始めた。
あの震災の後、自分たちの存在意義を見いだし、活動を続けている若者、そして、これからの生き方を考えはじめた若者とたくさん出会った。私たちは、その若者に機会を与えることや支援することを通じて、彼らのまなざしを高め、この地を復興する担い手になって欲しいと想い、日々活動しています。
こんなことを言う私は、もともと「いじめられっ子」。小学校時代、朝がこなければいいのに、とずっと現実逃避をしていたことを憶えています。
そんな9歳の時にテレビで二つの映像を見ました。チャンネルを回すと、片方ではアフリカの貧しい子どもたちが、もう一方ではアメリカの裕福な家庭でのクリスマスが映っていた。アフリカの子たちはご飯も満足に食べられない。お父さんもお母さんもいない。彼らのまわりにはハエがたかっている。目にのぞみがない。泣く力すら残っていない。まばたきすらできない。もう一方のアメリカの子たち。楽しそうににこにこしている。何も疑うことなく生きていける。ふと、いじめる側の子たちを連想してしまった。
そこから「泣く子の多い世の中じゃなくて、笑っている子が多いといいな」と思い始めた。いじめる側の子たちも、いじめられる側の子たちも、金持ちでも、金がなくても。みんな幸せになれば。
9歳でたててしまった夢「世界中の子どもたちを笑わせたい」。9歳の私がこの夢を叶えるために選んだ職業は「アメリカ大統領」。日本人ではなれないのに。
中学でいじめはなくなり、その後は日々が楽しくなった。夢は薄ぼんやりとは持っていたけどそのための活動はせず、何となく、大学に行くかなと。そんな気持ちだから、受験失敗。一浪し、新設の宮城大学へ。
宮城大学は私達が初めての学生。先輩がいないので、サークル活動をしたければ、自分たち自身でサークルをつくるところから。そして、サークルをつくって、大学事務局に部室を貸してくれと訪ねたら「前例がない」と断られる。そんな時に、当時の野田一夫学長が「自分たちで問題解決してみなさい。それが高等教育を受ける者の義務だ」と。そこで、みんなでサークル活動のルールを決め、部室が借りられるようなった。その後、大学祭、学生会の立ち上げ・・・。それらの活動がデュナミスという活動につながりました。
起業後、あらためて自分の夢「世界中の子どもたちを笑わせたい」と向き合い、その夢を実現するために、世界を変える人材を数多く生み出す仕組みを創る、と決意。その仕組みの一つとして、課題解決の現場に若者が挑む、インターンシップ事業を開始。若者自身が、外に対して何かをやることが、結果として彼らの満足や成長につながる。年間数十人もの学生が新しい挑戦を始めて、自分で何かやろうとする、当事者へと成長していきました。
そして、この震災。
まだまだ、復興の入り口に立っただけですが、若者たち(私自身も)は「問題解決」のための挑戦をはじめています。その挑戦を支援して、復興を加速させると共に、この東北を、若者が成長できる土地に変えていきたい。
この想いを実現するため、デュナミスの代表を辞め、新しい団体「一般社団法人ワカツク」をつくって走り始めました。
設立にご尽力いただいた、せんだい・みやぎNPOセンターの加藤哲夫さんからもらった「被災地では、これから課題が見えなくなってくる。本当の課題を見つけられる若者をどうやって育てられるかが鍵だ」との言葉は、私たちの活動の大切な原点となっています。
これまで培ってきた若者人材育成の手法をより洗練させ、先行する社会的課題に取り組むリーダーの元で、次の課題を見出す若者を育てる。この春に10人のリーダーの元での挑戦から始まり、数年以内に数多くのリーダーの元で、数多くの若者たちが挑戦をしている東北を創る。
そして、このマイナスからのスタートである復興の現場で、もがききった若者たちの中から、世界を変えていく人材が生まれてくる。
私の夢である世界中の子どもたちが笑っている世界を、その若者たち、そして、それを支援した大人たちとともに、創っていきます。
私たちの活動はまだ始まったばかりですが、みなさんのお力をお貸しいただければ、とても嬉しいです。